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みれんと別れ
なじみの業者さんが、上司のもとをたずねてきた。

挨拶程度だけど、みかけるとなぜか癒される雰囲気のある人。
知らない町に、知った人がくると嬉しいなあ。
上司が離席中なので、応対した。

鍵を持ってきたんですよ、まるのうちの

言うと、てのひらをぱっとひらいた。

えっ!!!

わたしは先週、別の業者さんから鍵をあずかり、
こっそり持ち帰ってひとばん、寝かせたのだった。
部屋に入れるぞ、この鍵ほしいとかもうそうしながらも、
何の感情もなさそうに、次の日、返したのだった。

昨日はもうテナントじゃなかった。
なのに、何でまだ鍵があるのー。妄想を断ったのに。

みれんと別れ_a0012640_1545933.jpg

この黒ずみかたは、先週のとは違うものだった。
鍵をにぎって、なきまね。

「昨日も、まるのうち、行ったんですよ。行かないではいられない」
「そうなんですか。私は、金曜日に作業しました」
「昨日は電気が消えていたし、表示もなくなってました・・・」
「6月か7月には、、(略)、なんでしたっけ」

そしてわたしは、気がついた。
この鍵の返却をもって、その業者さんとの取引が終わったということ。
初めて挨拶以外の会話をしたというのに、おわかれ。

ふたたび握ることのできた鍵、それだけで感慨とみれんが
いっぱいなのに、さらにさびしくなりました。

ますます、鍵、ゆずってほしくなりました。


関連過去記事
一夜の宝物
by aneppe | 2006-05-03 02:01 | 秋葉×丸の内 | Comments(4)
Commented by BANYUU at 2006-05-03 18:54 x
鍵が二度も女学生さんのところに来るとは不思議。先週の鍵と同じもの? ずいぶん色が黒くなっているけど‥鍵もつらい別れに泣き疲れたのかな。いっそのこと、記念にもらってしまいたいですね。
Commented by aneppe at 2006-05-03 19:06
明らかに黒いから違うんだと思います。
こっちのほうが使い込んでるのかな。
処分するんだったらもらいたいです。
Commented by bunkasaba at 2006-05-04 00:34
あのオフィスって、テナントが変わると全部鍵も入れ替えてるんでしょうかね・・・。であれば、大量に廃棄するんでしょうけどね。開け閉めしてましたが、何だか簡単に交換できる鍵穴でも鍵でもなかったような・・・。開けるときも簡単には開かなかったな~。
Commented by aneppe at 2006-05-04 01:52
立派な鍵なんですね。
使い込まれた感じからして、きっと同じ。
だから価値をかんじます。
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